バリ絵画の世界

すべての物事はつながっている

インドネシア・バリ島の民話と神話
(プリ・ルキサン美術館カタログより翻訳、一部改)

Bhima Swarga (ビマの物語) 
The Tantri Cycle of Stories(タントリ物語)
The Panji Cycle of Stories(パンジ物語)
The Ramayana(ラーマヤナ物語)
The Story of Garuda(ガルーダの物語)

The Calon Arang Story(チャロナラン)
The Story of the Linggodbhawa(リンゴッドバワ物語)
Gajah Mada, Prime Minister of Majapahit(マジャパヒトのガジャマダ宰相)
The Story of Sutasoma(スタソーマ物語)
The Kapi Parwa(カピ パルワ)
The Story of Bhoma(ボマ物語)
The Mahabharata(マハーバーラタ)
The Story of Rajapala(ラジャパラ物語)
Arjuna Wiwaha(アルジュナ ウィワハ)
The Churning of the Milken Sea(ミルクの海)

The Story of the Killing of Batara Smara(バタラ・スマラ)



Bhima Swarga(ビマの物語)

パンダワPandawaの父王パンドゥPanduの死後、その妻デウィ・クミDewi Kumiは息子のビマBhimaに地獄へ降りて パンドゥと二番目の妻デウィ・マンドリDewi Mandriの魂を探してくるよう頼んだ。
 
ビマは地獄の神ヤマYamaの住まいへたどり着き、苦しむ死人の魂を見る。地獄の苦しみの完全なる有り様がそこにあった。ビマは怒り狂い、地獄の大なべをひっくり返し、助けを求める父と継母の魂を見る。しかし、地獄の神ヤマとその軍隊が邪魔をする。激しい戦いが起こり、結局はすべての神たちが世界のあるべき秩序を破壊する侵略者を排除すべく、参加する。乱闘のさなか、ビマは命の水を盗み、死人の魂を天へ解き放とうとする。神たちはバタラ・バユBatara bayuを急いで送り込み、ビマに永遠の命の水(アムリタamerta)を神たちに戻すよう説得する。父と継母の魂を自由にしたあと、ビマは地球へ戻る。

The Tantri Cycle of Stories(タントリ物語)

バリの物語で一番有名な物語群がインドのパンチャタントリPancatantriに由来する、タントリ カマンダカTantri Kamandaka動物物語である。これはイソップ物語とアラビアンナイトを含む物語の共通の核心を持っている。これらの物語は人間社会の隠喩として、動物王国が設定されており、それぞれ、道徳の教訓を伝える物語と動物の主人公のセットになっている。また、タントリTantri 群に含まれているのは、I Lutung 物語のような、固有の動物物語である。
The Panji Cycle of Stories(パンジ物語)
Panji Ino Kertapati (パンジ イノ クルタパティ)がいなくなったフィアンセを探しに、ジャワ王国からほかの国(Kadiri,Jenggala,Gegelan)へ行く冒険物語である。
諸島やタイやカンボジアの岸くらい遠い国をとおして知られるKidung metrumでのこれらの物語は、インドとジャワの逸話、マジャパイト時代の諸島世界の文化と伝統の違いを描く。パンジ物語はまたよく、アマッド ムハンマド物語(Amad Muhammad)とほかのさまざまな愛の物語を含む。

The Ramayana(ラーマヤナ物語)
ラーマRama王子はアーチェリーの試合でライバルを破って、シータSita姫の結婚の承諾を勝ち取った。しかし、宮殿の策略に従って、彼は王座の権利を引き渡し、信頼する弟ラクシュマナLaksmanaとともにマンダカMandakaの森への追放を強いられた。
森で黄金のシカが現れ、シータを魅了し、彼女は夫にシカを捕まえるよう頼んだ。初めは、離れることをためらったが、ついにラーマはラクシュマナに彼女を保護するようたのみ、シータから離れる。しかし、黄金のシカはわなだった。シカはラーマを追い払うために、邪悪な王ラワナRawanaが送り込んだ巨人が化けていた。
王子がいない間、ラワナの妹、人食い鬼のスパルナカSuparnakaラクシュマナを誘惑しようとしたが、失敗する。それから、シータは死にひんしたものの叫び声を聞き、(それは死にかかったシカの声だったが)夫が危機にあっていると思い、ラクシュマナに夫を助けに行くよう命じる。ラクシュマナシータを一人、魔法陣の保護壁の中に残し、出て行った。それからラワナが年老いた男に扮して現われる。危険に気づかず、シータは魔法陣の外へ出る。ラワナは彼女をつかみ、アレンカAlengka王国へ飛び去った。
しかし、ガルーダジャタユJatayuがその誘拐を見ていた。戦いが起こり、ジャタユはひどく傷つけられる。しばらくして、ラクシュマナラーマを見つけると、彼らは消えたシータを探す。彼らは死に瀕したジャタユを見つける。ジャタユは彼らにシータラワナに誘拐され、アレンカ王国へ連れ去られたと告げる。
ラーマラクシュマナは有名な半神、半分猿のヒーロー、アノマンAnomanとともに住む、猿の王スグリワSugriwaと同盟を結ぼうと決める。巨大な猿の主人と連れ立って、彼らはバラタBharataの岸辺へたどり着き、サブ大陸とアレンカの間に巨大な橋を作った。しばらくして、ラーマはアノマンを、シータに助けがもうすぐ来ることを伝えるためにラワナの宮殿へ送り込む。アレンカの庭に着くと、アノマンはラワナが言いよるのを拒絶しているシータを目撃する。アノマンはそのとき、姿をあらわし、姫にラーマの指輪を彼がラーマのメッセンジャーであることの証として渡す。シータは開放される。アノマンはアレンカの庭を焼き、彼の王のもとへ戻る。
ラワナの兄、ウィビサナWibisanaはラーマとラワナの間の差し迫った戦いの知らせを聞き、ことの真実に賛成することを決め、ラーマのキャンプへ渡る。しかし、ラワナのほかの弟、巨人クンバルナKumbakarnaラワナが邪悪だと知りながらも、正しい悪いにかかわらず、彼の国を守ることを選ぶ。
猿たちはSitibanda橋でアレンカへ渡る。クンバルナは数千の猿たちによって囲まれ、英雄らしい死をとげた。すべてのラワナの大臣たち、子供たち、兵士らは英雄アノマンの指揮する猿たちによって殺される。ラワナは結局殺され、ラーマは妻と再び結ばれた。


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The Story of Garuda(ガルーダの物語)
ミルクの海の撹拌時、ガルーダはまだ卵だった。ウィナタWinataと信心深い預言者カシアパKasiapaとの間のまだ生まれていない息子である。
ある日、ガルーダが生まれる前、ウィナタWinataはカドルKadru(カシアパKasiapaの妻のひとり)と馬のUccaisrawaのしっぽの色について、議論した。議論があまりに盛んだったので、彼らは賭けをした。間違いを言った者が、一方の奴隷になるというものだ。カドルKadrが間違っていたが、彼女はしっぽに色を塗ることでウィナタWinataをだました。それで、ウィナタWinataはライバルの子供であるヘビの奴隷になった。
ガルーダが生まれたとき、火のように輝き、四方八方の天空をまばゆい光が覆った。彼はしかし、奴隷の息子だった。彼が成長したとき、しかしながら、ガルーダは義理の兄に話しかけた。「ヘビたちよ!どうやって母の自由を買い戻すことができるか教えてくれ。私はもしあなたたちが私の望みをかなえてくれたら、あなたたちが望むことをなんでもする」彼らは答えた。「もしおまえの母の束縛をときたいなら、われわれに不老長寿の水をもってこい」ついに、何をすべきかを知り、アドバイスをもらいに母のもとへ行った。彼女はこう言った。「まず、海の向こう岸にある島へ行きなさい。悪者と殺人者たちが住んでいます。彼らを殺し、食べなさい。彼らはアムリタamertaを探す間の食料となるでしょう。そして信じなさい。神バユBayuがあなたの翼を、女神チャンドラCandra()が背中を、アグニ神Agni()とアンギンAngin()が頭を守ってくれるでしょう」それで、ガルーダは出発し、悪者、亀と象を殺して食べながら、大暴れした。最終的に、彼はアムリタamerta の源であるソマカSomaka山の頂上に着き、インドラIndraの信心深い軍隊と出会い、打ち負かした。
彼はいくらか海の水をとり、アムリタamerta窟の入り口を守る火を消した。二匹のヘビと戦い、彼らを食べ、ついにアムリタamertaは彼のものとなった。しかし、彼が飛んで戻る間、神ウィシュヌWisnuが見つけ、自分の望みをかなえるよう頼んだ。望みを頼まれたら、それはかなえられなければならないという当時の決まりがあった。ウィシュヌWisnuは望みを述べ、ガルーダに彼の乗り物として仕えるよう頼んだ。ガルーダは受け入れた。
ガルーダはアムリタamertaをとり戻し、母の自由を手に入れた。しかし、ヘビたちにアムリタamertaを引き渡す前に、彼は彼らにまずお風呂に入り、体をきれいにするよう忠告した。彼らが体を洗いに行っている間に、神インドラIndraが来て、それを盗んだ。それでヘビたちはアムリタamertaを決して手に入れられなかったということだ。
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The Calon Arang Story(チャロナラン)
ランダRangdaには美しい娘、ラトナ マンガリRatona Manggaliがおり、王国の貴族の一人と結婚してほしかった。しかし、すべての彼女の使者は、有力な権力者は誰も魔女の娘とあえて結婚しようと思わないと、はねつけた。それでランダRangdaはシワSiwaの邪悪な妻であるドゥルガDurgaの助けを求め、侮辱へのしかえしを頼んだ。
ランダRangdaはガンダマユGandamayu墓地へ行き、子供の体を掘り出し、ドゥルガDurgaへ提供した。闇の軍隊と同盟し、大乱闘を起こし、疫病をはやらせるために彼らを大陸へ急送した。数千の人々が死んだ。アイルランガAirlanggaの大臣は魔女を殺そうとしたが、彼女の魔力はより強かった。ただ、信仰の道だけが残っていた。王のかかえるもっとも位の高い僧侶、ウンプー バラダEmpu Bahradaにはウンプー バフラEmpu Bahulaという名の息子がいた。ウンプー・バラダEmpu Bahradaと王はランダRangdaの魔法の本を盗み、力の源を見つける目的で、ウンプー・バラダEmpu BahulaをランダRangdaのもとへ送り込んだ。
ランダRangdaの信頼を勝ち取るために、ウンプー・バフラEmpu Bahulaはまず、ラトナ・マンガリRatona Manggaliと結婚し、それから実行しようとした。計画どおり、ウンプー・バフラEmpu Bahulaはラトナ・マンガリRatona Manggaliの心を射止め、本を盗み、父ウンプー・バラダEmpu Bahradaに渡した。ウンプー・バラダEmpu Bahradaは魔女と対面した。長い魔力による戦いが起こった。ランダRangdaはドゥルガDurgaの姿になり、バラダBahradaはバロンBarongになった。戦いの最後、打ち負かされ、しかしなだめられたランダRangdaバロンBarongは彼女の住まいへ送り返した。
チャロナランCarong Arang演技のもっとも印象的な場面は、ランダRangdaの魔法にかかったバロンBarongの人間の従者たちが、ランダRangda に運命づけられたクリスで自らを傷つけようとするときである。しかし、彼らはBarongの魔力に守られて、傷つくことはなかった。これは、クリスダンスとしてよく知られている。
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The Story of the Linggodbhawa(リンゴッドバワ物語)
ウィシュヌWisnu(保護者、水の神)とブラフマBrahma(創造者、火の王)が誰が一番力があるかについて、議論する。シワSiwa(破壊と再生者)が邪魔に入り、巨大な男根像(リンガ)として姿を現し、彼らを試す。ブラフマBrahmaは鳥になり、邪悪な様相のリンガの上部の限界にたどり着いた。そこで彼はシワSiwaが最高であるという明示である、無の神サン・ヒャン・タヤSang Hyang Tayaと出会う。
一方、ウィシュヌWisnuはイノシシになり、リンガの根元にたどり着いた。降りた地下の世界で彼は地球の女神プルティウィPertiwiと会い、強姦する。水の神とのこの交わりから、プルティウィPertiwiは邪悪なヒーロー、ボマBhomaを授かる。
ウィシュヌWisnu もブラフマBrahmaもリンガの終わりを見つけられず、結局どちらも最高なのは、シワSiwaの優勢だと認める。

この物語は中国の孫悟空物語に通じる。
Gajah Mada, Prime Minister of Majapahit(マジャパヒトのガジャマダ宰相)
 バリの有力な王は、長い間瞑想をして、そのとき頭が体から離れてしまった。(これは彼の精神的な達成の象徴とされる。)あまりに長い間だったため、頭は戻ってこなかった。王の大臣たちは困惑し、代わりにブタの頭を付けた。それ以来、善良な王は邪悪な王となり、ブタ頭の怪物ゆえに、ブダウル(Bedahulu)と呼ばれる。
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The Story of Sutasoma(スタソーマ物語)
クルKuru家族のなか、ハスティナプラHastinapuraに生まれた、英雄スタソーマ(Sutasoma)は父の王国と結婚の話を拒む。彼は父の宮殿を離れ、山へ向かう。そこで瞑想し、ヨガ行者になりたかった。共同墓地でドゥルガ(Durga)に会い、彼女はスタソーマがブッダ(Buddha )の化身だと言い、究極の解脱を達成するだろうと言う。
一方、世界は邪悪な王、人食いプロサダ(Purosada)に脅かされ、人間はみな、スタソーマにブッダのようにふるまい、世界の救済者になるよう頼む。しかし、スタソーマは頑固に拒み、ヨガの探求を続ける。
旅をしているとき、スタソーマは頭がゾウの怪物、ガジャワクトラ(Gajawaktra)と出会う。スタソーマは彼との戦いを拒み、瞑想の力で打ち負かす。ガジャワクトラは許しを請い、スタソーマの弟子になる。
旅を続けているとき、スタソーマは突然彼を食べようとする、竜に出会う。ふたたび、怪物は英雄の瞑想の力で打ち負かされ、彼の弟子となる。さらに道を行くと、彼らはメスのトラと出会う。彼女はとてもお腹がすいたので、自分の子供を食べようとしている。スタソーマは子供の代わりの食べ物として、彼自身を捧げる。メストラはスタソーマにおそいかかり、殺す。しかし、彼女は自分の行動を後悔し、インドラ神(Indra)に英雄を生き返らせるよう頼み、インドラはそのとおりにする。インドラ神はスタソーマに、世界の救済者としての役割を受け入れ、邪悪なプロサダと戦い、滅ぼすよう頼む。スタソーマは頑固に拒む。
多くのエピソードののち、スタソーマは結局、挑戦を受け入れ、プロサダを打ち負かす。プロサダは英雄の弟子となる。しかし、スタソーマはバタラ カラ(Batara Kara)へのいけにえとして、差し出されることを主張する。邪悪な神はスタソーマを征服する力がなかった。バタラカラはスタソーマを飲み込むために、ドラゴンになる。しかし、スタソーマは命の飲み物になったので、バタラ カラは彼を吐き出し、打ち負かされる。バタラカラもまたスタソーマの弟子となる。
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The Kapi Parwa(カピ パルワ)
ゴータマ(Gotama)という名の年とった僧侶が美しい妻、ニンフのナラチ(Naraci)と隠者の住みかに住んでいた。ナラチは神々を助けのもと、二人の息子、ドワルサ(Dwarsa)とドワンタラ(Dwantara)、として一人娘のレンジャニ(Renjani )を生んだ。ナラチは隠者の住みかをよく離れ、自然の不思議について考えていた。
ナラチの娘は彼女に付いていき、プールで水浴びしているときに、太陽神スリヤ(Surya)が近づくのを見ていた。スリヤが去ったあと、レンジャニは彼女がその光景を目撃したしげみの後ろから現れ、母に尋ねた。「とてもまぶしくて、私の目をくらませたこの光は何ですか」ナラチは答えた。「それは太陽神スリヤで、彼は私に、もしあなたがだまっていてくれるのなら、あなたにプレゼントする贈り物を手渡します。これはアスタギナ(Astagina)の宝石で、光そのものと同じくらいの輝きがあり、あなたの望みすべてをかなえることができます」
しかし、母が後悔したことに、少女は秘密を守ることが出来なかった。彼女が新しいドレスを望むときはいつでも、アスタギナにアピールし、彼女の望みは満たされた。そしてこのことは、兄たちの家庭教師、ジャンバワン(Jembawan)を逃さず、少年たちを追い立てた。「おおい!ゴータマの息子たちよ、おまえたちはアスタギナの力を見たか?どうして、妹の手にあって、おまえたちにはないのか」
恥ずかしくなって、兄たちは父のもとへ行き、尋ねた。「お父さん、望みを満たすことの出来る力をもつ、あなたたちと母の持つ宝石は何ですか。どうしてあなたはそれをレンジャニに渡して、わたしたちにくれなかったのですか」祈祷者であり、美徳を持つ男だったが、世界の道理によく精通していたゴータマは、突然理解し、怒りにふるえ、彼の妻に言った。「おお、とても美しい妻、ナラチよ。のろわれ、石になれ!」そして彼女は石になった。そしてゴータマはアスタギナを拾い上げ、子供たちに叫んだ。「アスタギナとその力を望む誰もが、アスタギナを見つけなければならないだろう」彼は石をあらんかぎりの力をこめて、はるか遠くに投げた。宝石は湖に落ち、三人の子供たちはそのあと、水のなかに飛び込んだ。少年たちはすべて水に浸かり、少女だけが手と顔に水をはねかした。しかし、アスタギナは消えてしまい、もはや光はなかった。三人の子供は見上げて、お互いを見るとき、まだ水をはねかしていた。兄ドワルサとドワンタラは猿になり、妹レンジャニは部分的にぬれただけだったので、顔と足が猿のようになった。そのとき、彼らはアスタギナの力に気づいた。運命のもと、三人の子供たちは森へ瞑想しにいった。
レンジャニは小川の真ん中で瞑想し、口のなかへ入ってくる食べ物のみを食べた。ある日、太陽神スリヤが世界の上を旅しているとき、彼女の美しい後姿を見て、欲望に打ちのめされた。精液のしずくが水へと落ち、それはレンジャニの口にしみこんだ。9ヵ月後、彼女は子供を授かった。それは未来の猿の英雄、アノマン(Anoman)だった。生まれたのち、彼らは動物の保護のもと、森に住んだ。
ドワルサとドワンタラは一方、スバリ(Subali)とスグリワ(Sugriwa)になった。彼らは瞑想を通して巨大な力を得た。邪悪な巨人とともにコウモリが飛ぶ前の夜、スバリは弟に、もし血液が戦いが起こった洞窟から漏れてきたら、それは私の死を意味するから、スグリワはわたしの最愛の人と結婚することができると言った。戦いののち、血液が洞窟から漏れてきた。そのためスグリワはタラ(Tara)と結婚した。しかしながら、スバリは死んでいなかった。その液体は彼の敵の脳からのもので、赤い物質がはねたものだった。それでスバリはスグリワに復讐を誓い、彼と何度も戦い、スグリワが彼の邪悪な兄を打ち負かすのを助けてくれるというラーマ(Rama)の約束のお礼に、ラワナ(Rawana)に対するラーマを助けるという約束をする日まで、いつもスグリワは打ち負かされていた。
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The Story of Bhoma(ボマ物語)
物語は、リンゴッドバワLinggodbhawa物語の続きである。ボマ(Bhoma)は世界を破壊しようと決意する。彼はブラフマ(Brahma)によって、強い魔法の力を授けられる。彼はその力を使って、神々の住みかを攻撃する。天国の預言者たちは、神でもなく、シワ(Siwa)でさえない、クリスナ(Kresna)の助けを求め、邪悪な巨人を打ち負かすことが出来る。
クリスナは彼の息子サンバ(Sambha)を侵略者を倒す使命をもつヤドゥ トリベ(Yadu Tribe)のリーダーとして送り込む。多くの冒険ののち、サンバは打ち負かされ、戦いで死ぬ。クリスナは仲裁に入ったが、ボマはクリスナを殺すと誓う。クリスナは母プルティウィ(Pertiwi)によって魔法の花、ウィジャヤマラ(wijayamala)を与えられる。それはもし彼が戦いで死んでも、持ち主を生き返らせる力を持つ。
戦いの間、クリスナは外観を数千の頭を持ち、ガルーダを引き連れた、激怒した様子のウィシュヌ(Wisnu)神-ウィシュヌムトリ−に変える。ボマ自身は、巨大になる。ウィシュヌはボマの頭を打ち、後ろの髪飾りを落とす。ガルーダは魔法のウィジャヤマラの花をつかむ機会を得て、それを持って逃げる。ウィシュヌはボマの頭を破壊し、体を海に投げる。それは世界の深いところまで沈み、そこでウィシュヌの母プルティウィが待っている。

クル(Kuru)家族は、二つの支流からなる。盲目の王ドラスタラスタ(Drastarasta)王に系統する、100人のクラワ(Korawas)族とドラスタラスタの弟パンドゥ(Pandu)に系統する、5人のパンダワ(Pandawa)族である。
初期から、パンダワ兄弟と彼らのいとこのクラワたちは同じ先生の教育を受け、(主にビマ(Bhima)とドロナ(Drona))どちらが強いか知るために戦う。ビマはパンダワの兄弟のなかで一番強く、クラワのリーダー、ドゥリヨダナ(Duryodana)と常に戦う。アルジュナ(Arjuna)も(パンダワ族のなかで、一番ハンサムだった)また戦いの武器と特に、弓と矢を持ち、最高である。羨やんだクラワ族は麦わらでふいた小屋で、いとこたちが過ごしているとき、彼らを殺そうとする。パンダワ族は逃げ、冒険を続け、配偶者を見つける。彼らは戻ってくると、独自の城、インドラプラスタ(Indraprasta)を建てる決意をする。それは、アルジュナの義理の父であり、ウィシュヌ(Wisnu)の化身であるクリスナ(Kresna)の忠告で強力な王国となった。
しかし、純粋なパンダワ族の年長の兄であり、リーダーであるダルマワンサ(Darmawangsa)はギャンブルに目がなかった。彼はクラワ族とそのお付きのものにだまされ、邪悪なサクニ(Sakuni)に連れ去られ、彼の王国を含む、パンダワ族の妻たちと彼らの自由さえも、彼の所有するすべてをさいころに賭ける。
兄たちの仲裁のあと、パンダワ族は結局13年間追放され、クラワ族から隠れなければならなかった。もしパンダワ族が成功すれば、正義は回復するだろう。それで、パンダワ族は隠れ、それぞれロイヤル家族の位置を見つけに行く。13年後、パンダワ族はかれらの正義を取り戻すために、隠れているところから出る。クリスナはパンダワ族の要求を進めるための大使として送られる。クラワ族がそれを拒むと、クリスナは巨大なウィスヌムルティ(Wisnumuruti)になり、差し迫った戦いとクラワ族の破壊を勧告する。
軍隊が戦争のために準備される。パンダワ族の母、クンティ(Kunti)は息子のカルナ(Karna-クラワ族に育てられたパンダワの義理の弟-に、パンダワ族の側につくよう嘆願する。彼は拒む。パンダワ族は彼らの先生(クラワ族のたよる人)に、クラワ族と戦う許可を求め、彼らが勝利すると想定する。戦いが始まる。ビスマ(Bhisma)はパンダワ族の先生だったが、矢に貫かれて死ぬ。それからパンダワの息子たち、ドルナ、ほとんどの英雄、軍隊が死ぬ。すべてのクラワ族は結局、殺される。戦いの最後、盲目の王、ドレスタラストラ、賢人ウィドゥラ(Widura)と5人のパンダワが残る。ウィドゥラとドレスタラストラは、みなが死んだ森で瞑想することをためらう。クリスナとすべてのヤドゥ トリベ(Yadu Tribe)は消える。そしてパンダワ族は神聖なメル山を上って、天へ昇る。
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The Story of Rajapala(ラジャパラ物語)
バリの“覗きみトム”ラジャパラ(Rajapala)はプールで水あびをする天国のニンフの集団を見つける。彼はこっそり近づき、一番かわいいニンフ、スラシ(Sulasih)の服を盗む。
服は空を飛ぶことが出来る魔法の力を持っていたので、そのニンフは天国の住みかへ帰ることが出来なかった。その後英雄が現れ、結婚の申し込みをする。彼女は子供が生まれたら天国に戻るという条件のもと、受け入れる。ある日、ニンフは台所に自分の服が隠されているのを見つける。彼女はだまされていたと知り、夫と息子のもとを離れ、彼女の天の住みかへ戻る。ラジャパラが瞑想するため出発したあと、ドゥルマ(Durma)、若い少年がロイヤルコートで生まれる。大人に近づくと、子供時代の記憶が彼をとらえ、父を探しに森へ行く。彼は彼を誘惑する美しい少女と出会うが、すぐに彼女とその弟は二匹の変装した人食い鬼だと見破り、彼らを殺す。ドゥルマは王室の大臣になり、魚と天人から生まれた美しい女性と結婚する。
この物語は日本でいう羽衣伝説である。起源はどちらもインドである。


Arjuna Wiwaha(アルジュナ ウィワハ)
 5人のパンダワ(Pandawa)族の一人、アルジュナ(Arjuna)がインドラキラ(Indrakila)山で瞑想しているとき、神々の住みかは邪悪な巨人ニワタカワサ(Niwatakawaca)に攻撃されていた。神々も巨人たちも怪物を打ち負かすことが出来なかったので、人間界の英雄を求めることを決め、その選択はアルジュナにくだった。
彼らはアルジュナは十分しっかりしていると確信し、天国のニンフを彼を誘惑するために送り込む。ニンフたち、美しいスプラバ(Supraba)とティロッタマ(Tilottama)はアルジュナを瞑想をやめさせることに失敗する。一方、ニワタカワサはアルジュナを殺すため、野生のイノシシを送り込む。イノシシが山を破壊していると、アルジュナは瞑想からおきて、弓をとり、動物をねらう。しかし、シワ神(Siwa)が同じときにやってきて、彼もまたその怪物を弓で射る。矢は一つにあわさり、イノシシを殺した。アルジュナとシワは誰がイノシシを殺したかで議論し、シワがアルジュナを打ち負かし、シワが一番強い神であるというアイデンティティをあらわすまで、戦いが起こった。アルジュナはシワの偉大さを認める。
シワはアルジュナに魔法の武器パスパティ(Pasupati)を与えると消えた。アルジュナはそれから天に呼びだされ、神々の王インドラに邪悪なニワタカワサを倒すよう頼まれる。巨人は不死身であると知られていたが、体にひとつの弱点があった。それをあばくために、アルジュナはニンフのスプラバを送り込む。彼女は怪物を誘惑し、弱点をあらわすよう頼む。トリックに気づかず、彼は彼女にっそれは彼の口蓋だという。秘密を知ると、スプラバは逃げる。長い戦いの末、巨人はアルジュナに殺される。
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The Churning of the Milken Sea(ミルクの海)
シワ(Siwa)とパールバティ(Parwati)が世界を作ったとき、神と巨人たちはウィシュヌ(Wisunu)が話しているとき、命の水をどのように手に入れるのか議論していた。ウィシュヌは「神と巨人よ!もし命の水がほしければ、ミルクの海をかきまぜよ」それで彼らはそのようにした。初めにドラゴンのオウアンタボガ(Auantabhoga)がマンダラギリ山を根こそぎにし、ミルクの海の真ん中(亀のブダワン ナラBedawang Nalaの背中の上)へ、かき混ぜるためにそれを入れた。
そののち、彼らは神と悪魔たちを呼んだ。「神たちは一方の端を、悪魔たちは別のところをひっぱった。神の王インドラが固定させるために山の上に座る間、かきまぜられた水から、女神スリ(Sri)、ラクシュミ(Laksmi)、ウカイスラワ(Uccaisrawa)と宇宙の宝石(Kastubamani)があらわれた。彼らはみな神のそば落ち着いた。しかし、命の水があらわれたとき、それは巨人の側へ落ち着いた。それでウィシュヌはトリックをおこなった。美しい少女に化け、悪魔たちに水を運ぶのを自分に託すよう促した。そして、彼らはそのとおりにした。しかし、命のアムリタ(amerta)を受け取るやいなや、ウィシュヌに戻って逃げた。神と悪魔はそれ以来ずっと戦っている。
The Story of the Killing of Batara Smara(バタラ・スマラ)
神々の住みかは、悪魔ルドラカ(Rudraka)によって攻撃され続けている。神の預言者レスパティ(Respati)はシワ(Siwa)の息子で、ゾウの頭を持っているものだけがその怪物を殺すと予言する。しかし、シワはカイラサ山(Kairasa)の頂上で深い瞑想状態にあり、怪物が大破壊をしていることに注意を払っていなかった。愛の神スマラ(Smara)だけが彼を意識不明の状態から呼び戻せた。それで神々は、バタラ スマラ(Batara Smara)をカイラサ山へ、シワの目を覚まし、彼を最高の神として世界を救うという使命をもたせて送り込む。
シワが瞑想する場所へつくと、スマラは彼を愛の矢で射る。シワは矢にあたったが、ひどく取り乱して、稲妻で無分別な射手を攻撃した。スマラは死ぬ。バタラ スマラの妻、月の女神デウィ ラティ(Dewi Ratih)は夫の死に落胆して、シワに彼を生き返らせるよう嘆願した。しかしながら、シワは自分の行動を元に戻す力をもっていなかった。それで、ラティは彼が夫にしたように、自分を殺すようにお願いする。彼女は稲妻にうたれて、灰になった。彼らは世界を卓越した、愛の力の象徴となった。
 一方、シワは目覚め、性の欲望に打ち勝つ。それで彼は妻デウィ ウマ(Dewi Uma)を愛し、彼女は身ごもる。しかしながら、彼女はゾウ頭の息子をもうけることになっていた。それで神々はトリックを考えた。彼らはインドラ神から魔法の馬を借り、ウマに恐怖を与える。彼女はあまりに取り乱したので、邪悪な形相になり、ゾウの神、バタラ  ガナ(ガネーシャ)を生む。ガナは大人になって、折れたキバを補助にして、悪魔を殺す。


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