カマサン村に滞在中、Sと一緒に一日だけ遠出をした。バスに乗って昔の王様の避暑地であったスマラプラへと観光に出かけた。避暑地というだけあってとても涼しいところだった。山の中腹に位置していて、高台から下を眺めるとどこまでも棚田が広がっていて美しかった。風もそよそよと気持ちよく、私たちは途中で果物をいくつか買い込み、石段に座って食べながら緑色の田んぼと丘を眺めた。王様の宮殿であるスマラプラ王宮は水の宮殿とも呼ばれ、お庭に大きな池がある。池には石で道がしかれていて、歩いて渡れるようになっている。宮殿の裏手からは湧き水が出ていて、ここの水を引いて池を作っているのだとか。ガイドのお兄さんが教えてくれた。ここはプールにもなっていて泳げるというが、藻が浮いていてとても泳ぐ気にはなれない。私たちはぐるぐると宮殿内のお庭を歩いて散歩した。石の彫刻もとてもきれいだった。お昼は宮殿向かいの喫茶でナシチャンプルをいただく。スパイスがきいていてとても美味しかった。それに観光客が少なくて穴場である。バリに来て、ぼーっとしたくなったらぜひ訪れてほしい場所だ。
そんなこんな、5日間の滞在も過ぎてしまえば、あっという間で最後の滞在地、ウブド村へ旅立つ日になった。カマサン村で描いた絵をしまいこむ。先生から大きな昔ごよみのカレンダーを買ったので、まるめてしまいこむ。あの偉大な先生の絵を買えただけで幸せだ。色付けは奥さんがしたという。ただ、とても大きな絵なので家に飾る場所がないのが悲しい。いつかエキゾチックな部屋に掛けたいものだ。
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