2日目の夜はワヤンに白魔術師さんがいるお寺にお参りに誘われ、Sと一緒に行くことになった。おそなえのために、生きたあひるを数羽とお米と果物を用意する。あひるを売っているお店で店員がグエグエ鳴くあひるたちのなかから数羽を足をぐいっとつかんでさかさまにして持ってきた。お金を払ってそれを車に乗っける。そのままお寺へ行くと、すでに数名の村人たちが集まっていてお寺の敷地の地面に敷かれたござのうえに座っていた。ここには病気の人や悩みのある人たちが集まっていて、白魔術師さんにお清めしてもらっているのだ。ワヤンも妹のコマンちゃんも清めてもらうようだ。順番があって、呼ばれると魔術師さんがいる場所に行き、悩みや悪いところを聞いてもらいなおしてもらう。
私とSはみなが見て貰ったあと、手相と生年月日による診断をしてもらった。あとは呪いがかけられていないかどうかも見てもらった。魔術師さんは私の手を握るなり「まあ!あなたはパワーがあるわね」とひとこと。ちょっとびっくりしていると、「1ヶ月くらい修行すれば私みたいになれるわよ」ひええ!それはとんでもない、白魔術師になれるということなのか。「日本にもそういう人っているのかしら?ヒーラーになって日本で活動したらいいわ」「ええ?」いきなりのことにはたまた私はビックリする。「いますぐでなくてもいいから、もし白魔術師になりたいと思ったらいつでも私のとこにきなさい」そういって、連絡先まで教えていただいた。そうして他にも健康運だとか出世運だとかいろいろ見てもらった。「あなたは経営者にも向いているわ」はあ。「お金はたくさん貯まるけどすぐなくなるわね」それはいいのか悪いのか。いろいろと言われつつ、当たっているところもあれば首をかしげるようなところもあって、でも白魔術師と会ってお話できただけでも貴重なことだった。バリには病院があるけれど、まだまだ田舎では普及していなくて白魔術師に病の治療を頼っている。赤ん坊をとりあげるのも白魔術師の役目だ。しかし、雨を降らしたりできるというのは本当だろうか。私も修行すればできるようになるんだろうか(笑)。そんなことを考えつつ、神秘的で印象的な夜が過ぎた。
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